春夏連続での甲子園出場を狙う第2シードの静岡が、浜名を6-2で退けた。エース池谷蒼大投手(3年)が完投し、打撃でも2安打3打点と勝利に大きく貢献した。

 最後の打者を見逃し三振に仕留め、池谷が笑顔で森康太朗捕手(3年)とグータッチを交わした。

 「少し暑かったですが、最後まで投げきれたことは収穫です。初戦なので合格点。60点くらいです」

 初回から140キロを超える直球をテンポよく投げ込んだ。2回に先制点を許したが、その後は変化球でタイミングを外して要所を締めた。9安打、2四死球を許しながら2失点完投。「落ち着いてからはペースを上げ下げして調整できました」と冷静に振り返った。

 打席でも輝いた。0-1の2回裏2死一、二塁の好機に、逆転の中越え2点適時三塁打を放った。「自分が点を取られた後に野手が作ってくれたチャンス。絶対かえしてやろうという気持ちでした。うれしかったです」。珍しく見せた塁上での派手なガッツポーズが、思いを表現していた。池谷は5回裏2死二塁の場面でも、右前に適時打を放ち、チームに6点目をもたらした。「こんなに打てるとは思わなかったです」。

 シード校にとって難しい初戦をものにした栗林俊輔監督(44)は「形はともかく初戦は勝つことが大事。打線も粘り強くチャンスを作っていましたね」と満足げな表情で言った。6得点は全て2死から挙げており、打線の粘りを評価した。エースが投打で活躍し、打線も13安打と機能。20日の3回戦では、浜松北と対する。【鈴木正章】