センバツ優勝の大阪桐蔭が、2000年生まれのミレニアム世代の完封リレーで5回戦に駒を進めた。先発の最速146キロ右腕、柿木蓮投手(2年)が7回無失点の快投。奪三振ショーは2回2死から始まった。3、4回も変化球でカウントを稼ぎながら、直球で三振を積み重ねた。5回先頭打者は約1カ月前に完成したフォークで見逃し三振。中学2年で達成した自己最多の9者連続には届かなかったが、8連続三振を含む11三振を奪った。西谷浩一監督(47)は「柿木は気持ちで投げる投手。勢いをつけてくれた」とたたえた。

 新たな武器になった変化球は、強豪校の仲間に磨かれた。持ち球のスライダーは、エース徳山壮磨投手(3年)から「右手と一緒に右足も回す」というアドバイスを受けて安定。フォークは西谷監督から「落ちる球を1つ持っていれば、もっと楽になる」という指導を受けてマスターした。

 今大会初登板だった。ベンチで肩を回したり、西谷監督を見つめても目をそらされるなどアピールのかいなく、3回戦まで出番なし。この日の朝、球場に向かうバスの中で先発を告げられ、「やっときた」チャンスをしっかりモノにした。センバツは控えで優勝に貢献した右腕が、今夏は強力兵器になる。【中島万季】

 ◆柿木蓮(かきぎ・れん)2000年(平12)6月25日、佐賀県多久市生まれ。多久北部小1年から多久北部少年野球部で野球を始め、多久市立中央中では佐賀東松ボーイズに所属。大阪桐蔭では今春のセンバツからベンチ入り。184センチ、83キロ。右投げ右打ち。