早実・清宮幸太郎内野手(3年)が、1次ラウンド最終戦の南アフリカ戦で高校通算110号本塁打を放った。7-0の4回、右越えソロをマークした。高校日本代表は前日4日のオランダに競り勝ち、各組上位3チームが出場するスーパーラウンド進出を決め、南アフリカに7回コールド勝ちを収め、4勝1敗で1次ラウンドを通過した。

 文句なしの1発だった。4回2死走者なし、カウント3-1。外寄り113キロを、右翼フェンス外の芝生に持っていった。ちらりと高校通算110度目の柵越えを見送ると、清宮は下を向いて淡々と一塁に走りだした。

 「打った瞬間、行ったなと思いました。110って響きも良いですし。節目の1本だったかな。みんな喜んでくれたのが一番うれしかったです」

 高校最大のスランプを抜け出したのは、前日のオランダ戦だった。1点を追う5回無死、清宮が左中間を破る二塁打で、自身14打席ぶりとなるチーム初安打をマーク。鯨井の「主将の安打から、みんな変わるぞ」の掛け声通り、6回に相手のミスから逆転に成功した。清宮は「ずっと(安打が)出ていなくて、迷惑をかけていた。何とかできて良かった」と安堵(あんど)した。

 オランダ戦の逆転勝利でチームは3勝1敗とし、各組の上位3チームが出場するスーパーラウンド進出を決めた。最初の関門をクリアした清宮は「ここまで勝てたのはいいこと」と、チームの思いを代弁した。

 1次ラウンドの間に、スランプと決別した。3日のキューバ戦は決勝の犠飛を放ったものの、3打数無安打。直前の3番安田が2度も敬遠される屈辱を味わった。「全然ダメです。わけが分からなくなっています」と自らの打撃を見失ったが、一夜で切り替え。打撃フォームとともに体も根本から見直した。