静岡(静岡1位)が、1-0でいなべ総合(三重2位)を下し、2年連続4強入りを決めた。先発春翔一朗投手(2年)が1回表のピンチ以降、打たせて取る投球で完封勝利。センバツ当確に王手をかけた。常葉大菊川(静岡2位)は東邦(愛知1位)に6-10。常葉大橘(静岡3位)は、中京学院大中京(岐阜1位)に1-8の8回コールドで敗れた。

 9回表2死。静岡の春は、最後の打者を8球目で三ゴロに仕留めた。小さくジャンプしながら右拳を握った。2度の雨天順延を経て初戦突破の4強入り。春は「早く投げたい気持ちがプラスになって、後半も集中して投げられました」と振り返った。

 先輩の言葉をかみしめてマウンドに立った。試合前日には、前エースの池谷蒼大(3年)から電話があった。「東海大会だと意識しがちだけど、相手の実力は県と変わらない」。この助言で、春は「普通にやればいい」と思えたという。

 調子は尻上がりに良くなった。1回表、2連打と死球で無死満塁のピンチを背負ったが、後続を一塁方向へのインフィールドフライと投ゴロ併殺打に打ち取った。2回以降は2安打に抑え、6回以降はパーフェクトピッチング。8月の秋季中部地区大会2回戦の藤枝北戦で8回完封して以来の完封劇に、春は胸を張った。「立ち上がりに緊張するのは、いつも通りです。相手打線と相性が良く抑えられたけど、完封は自信にはなりました」。

 チームは秋季県大会準決勝、決勝と2戦連続逆転勝ち。取られても取り返せる打力が魅力だが、この日は5安打。1回裏、併殺の間に奪った1得点のみの「スミ1」で、春は「今度は野手が頑張ってくれるでしょう」と言った。明日28日の準決勝では中京学院大中京と対戦。東海地区の来春センバツ出場枠は3校だが、投打をかみ合わせて、決勝進出とセンバツ出場確定を狙う。【大野祥一】