大阪桐蔭の小林大介内野手(3年)が、富士大(岩手・北東北)に合格したことが13日、分かった。162センチと小柄ながら、内野ならどこでも守れる鉄壁の守備としつこい打撃で、春夏の甲子園ではベンチ入り。今春のセンバツでは優勝を果たした。富士大はリーグ8連覇を達成し、2年連続4度目の出場となった明治神宮大会では8強に終わった。富士大に大阪桐蔭の野球部員が入学するのは初。名門校のV戦士を加え、悲願の大学日本一へ再スタートを切る。

 大阪桐蔭からは初となる富士大合格を決めた小林が、飛躍を誓った。親元の地元関西から離れ、東北花巻の地を選んだのは、自分のさらなる成長のためだった。「大学も親元を離れてプレーすると決めていた。昨年に全国でプレーする富士大を見て、自分も神宮球場でやってみたかった。チーム内の激しい競争に勝って、自分もレベルアップしたい」と目を光らせた。

 162センチと小柄ながら、内野ならどこでも守れる鉄壁の守備力が自慢だ。バントなど小技も得意で、泥臭く粘り強い打撃も光る。層の厚い大阪桐蔭では、3年春夏の甲子園で内野のバックアップとしてベンチ入りした。同校の西谷浩一監督(48)は「富士大は素晴らしい大学。自信のある守備を磨いて、頑張ってほしい」とエールを送った。

 悔しさをバネに、大暴れしてみせる。センバツに続き連続優勝を狙った今夏の甲子園は、仙台育英(宮城)に3回戦で敗れた。1-0の9回2死走者なしから、球史に残る大逆転負けを喫した。ベンチにいた小林は敗戦を受け止めることができず、試合後は泣くことすらできなかった。

 小林 何が起こっているのか分からなかった。自分たちのやってきたことの方が上だと思っていたけど、あそこで負けたのは、心の隙があったということ。あの負けがあったからこそ、今があると言えるような野球人生にしたい。

 リーグ8連覇を達成した富士大は12日、明治神宮大会8強で終戦した。目標は大阪桐蔭と同じ、日本一だ。「まだ富士大は日本一になってない。全国で勝てるように貢献したい」。岩手の常勝軍団の“小さな巨人”になってみせる。

 ◆小林大介(こばやし・だいすけ)1999年(平11)12月13日、奈良市生まれ。鶴舞小1年から野球を始め、登美ケ丘中では志貴ボーイズに所属。大阪桐蔭では2年秋からベンチ入りし、3年春のセンバツ優勝。同夏の甲子園、米子松陰(鳥取)との1回戦で遊撃の守備固めで途中出場。162センチ、64キロ。右投げ右打ち。家族は母と姉。