第90回記念選抜高校野球大会(23日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が16日、大阪市内で行われた。

 27年ぶり3度目出場の瀬戸内(広島)の新保利於(しんぽ・りお)主将(3年)が選手宣誓を引き当てた。大舞台で大役を担うことになり「正直やりたくなかったけど、引いてしまったので、しっかりやりたい」と意気込んだ。

 当選は、開封前から分かっていた。選んだ封筒から「選手宣誓」という文字が透けていることに気付いた。人前で話すのは苦手で、緊張に弱い性格。隣に座った下関国際の浜松晴天主将(3年)に「交換してや」と“交渉”したが、断られて肩を落とした。宣誓文は長谷川義法監督(49)と作成する予定で「90回記念大会であること、正々堂々、感謝の3つは入れたい。高校生らしく頑張る」と力を込めた。

 第1日第3試合に明秀学園日立との初戦を迎える。「しっかり準備して挑みたい」と言う新保に、長谷川監督も「相手は関東を勝ち上がってきたチーム。挑戦者のつもりでぶつかる」。チームは注目打者、4番門叶(とがの)直己外野手(3年)を擁する。1試合4本塁打を放った昨秋の中国大会1回戦の頃のようなキレを戻すために奮闘中。センバツ出場決定時に「広島の打者は中村奨成さんだけじゃないというのを見せたい」と、“中村超え”を宣言したスラッガーとともに、27年ぶりの初戦突破を目指し、聖地に乗り込む。【中島万季】