三重がまたも大阪桐蔭に惜敗して決勝進出を逃した。

 3回に2点を先制するも6回に1点を返され、9回土壇場で同点とされた。延長12回、2死一塁から長打を浴びてサヨナラ負けを喫した。小島紳監督(28)は「選手は本当によくやった。高校生は本当にすごいです。負けたのはすべて私の責任です」と肩を落とした。4年前の夏の甲子園決勝、同じく大阪桐蔭に1点差惜敗したリベンジを誓って臨んだ試合だったが、またもあと1歩で勝利を逃してしまった。

 先発の背番号「10」、定本拓真投手(3年)が強打の打線を相手に奮闘した。5回まで3安打無失点。6回に1発は浴びたが8回まではリードを守った。「直球が指にかかっていた。どんどん押せたのが良かった」。9回土壇場で追いつかれたが「仕方ないと割り切った。もう1点をやらないという気持ちだった」と気迫では負けなかった。

 12回2死一塁。タイブレークに持ち込むまであと1アウトとなった163球目。外角直球を左中間に運ばれた。「自分の精いっぱいの力は出し切った。後悔はしていません。負けたのは悔しいが自信になった」。サヨナラ負けの敗戦投手だが、涙もなく最後まで堂々と胸を張っていた。