今春から4番に座る盛岡大付・仲田龍珠(りゅうじゅ)外野手(3年)が公式戦初となる通算15本目の本塁打を放つなど、平館を9-0(7回コールド)で圧倒した。6回1死、真ん中低めのスライダーを捉え、左翼席に突き刺した。「秋は変化球を打てなかったのが課題だった。完璧な当たり」。昨秋は背番号2桁だった新主砲が3打数2安打2打点と気を吐き、戦後初の岩手大会夏3連覇に向けて好発進した。

 肉体改造が実った。冬はスクワットで下半身強化に取り組み、バーベルは160キロから220キロまで上げられるようになった。春になると打球が見違えるように飛んだ。「世界が変わった。植田(拓、現バイタルネット)さんの世界に片足を突っ込んだ感じ」。昨年の主砲で筋トレにより鋼の肉体を作り上げた先輩の名前を引用し、180センチ、85キロの巨漢は胸を張った。

 関西出身で、気の強さが光る。この日、1球見送るたびに大声を張り上げ、3回の満塁時には押し出し四球を選んだ。関口清治監督(40)は「自分が決めてやる、という気持ちが強い。今年のチームは岩手出身者が多いので、関西人の仲田に引っ張ってもらいたい」と期待を込めた。仲田も「夏3連覇への重圧はあるけど、自分は声とプレーでチームを引っ張りたい」と気合を入れた。【高橋洋平】