第100回全国高校野球選手権大会(8月5日開幕、甲子園)に向けた各地方大会の組み合わせ抽選が20日、行われた。

 市川越が「平成最後の夏」に、平成元年以来の甲子園を狙う。何の運命か、元年に川越商(当時の校名)を優勝に導いた諸口栄一氏(57)が今春、29年の時を経て監督に復帰。「平成の始まりと終わり、ましてや節目の100回大会。何かあるのかなと思います」と予感を口にした。

 左腕・和田光投手(2年)が、チームに光を照らした。最速130キロながら、昨秋県大会の浦和学院戦で力勝負を挑み、7安打完封。平成30年間で春夏合計20回甲子園出場の王者を、1年生(当時)がねじ伏せた。「一時期、クラスでヒーローっぽい感じでした」。野球部のみならず、学校、地域が活気づいた。

 山村学園、川越東など川越市内の強豪校がそろう激戦ブロックに入った。岡本直希主将(3年)は「一戦必勝です」と気を引き締めた。小江戸・川越の粋な大人たちに愛されるチームが、歓喜の笑顔で平成を締めにいく。【金子真仁】