大湊の救世主がスーパーセーブを挙げた。7回途中から救援した今年初登板の熊谷颯太投手(3年)が3回を1安打無失点。粘る八戸聖ウルスラ学院を振り切った。最後の打者を中飛に打ち取ると、ガッツポーズで喜びを爆発させ、「やっと出られた試合で勝てて、素直にうれしい」と笑った。

 昨年9月の県大会以来となる公式戦登板を楽しむ余裕があった。7-4の7回無死満塁で飛内尚人監督(46)から「行ってこい」とマウンドに送り出された。「プレッシャーは全然感じなかった。それよりも試合に出られるうれしさと興奮で胸がいっぱいだった」。内野ゴロの間に2人の生還を許すも、1点リードを死守。166センチ、62キロと小柄だが、厳しいコースを丁寧に突いてアウトを重ねた。

 公式戦のマウンドに戻るため、努力を重ねた。階段ダッシュは他の投手より1本でも多く走り、太らない体質だが1日に3合の白米を食べた。そして久しぶりの登板機会を得て、大湊伝統の「下北魂」を発揮。「粘り強く耐えるのが大湊の野球だと先輩から教わった。今日はそれを結果で示したかった」。決勝に進出した2年前の快進撃を再現する。【神稔典】