ダブルエースの一翼を担う乙訓・富山太樹投手(3年)が投打にわたる活躍だ。今春センバツで甲子園初出場初勝利を果たしたチームをベスト8に導いた。

 春の近畿大会以来、公式戦のマウンドからは遠ざかり、練習試合でさえも今月1日が最後。久々の登板で、先制直後の初回に逆転を許した。

 市川靖久監督(35)も「序盤はああなるかな」と予想していたほど。だが、尻上がりに調子を取り戻した。仲間からも声を掛けられ「途中から気持ちの整理がついた」。2回以降は相手に追加点を与えず。走者を出しながらも併殺打に打ち取るなど粘りのピッチングを披露した。

 この試合では「打」でも自らを援護。4回1死三塁で左越えに勝ち越しの二塁打を放つと、5回にも2死から走者一掃の二塁打で突き放した。「8番にくっついているだけ」と謙遜したが、投手として奪われた2点を打者で倍返しした。

 次戦は甲子園通算99勝の龍谷大平安と相まみえる。背番号1の川畑大地もいるが、富山は「あと3試合全部先発するつもりでいく」と力を込めた。【林亮佑】