大阪桐蔭(北大阪)の今秋ドラフト1位候補、藤原恭大外野手(3年)が、自身公式戦となる満塁本塁打で打線に火を付けた。10-0で迎えた3回無死満塁、打球は大きな弧を描き、右翼スタンドへ放り込んだ。「逆風だったので行くかなと思ったんですけど、いい角度で入りました」。攻撃は止まらず、この回11安打11得点。先発全員の19安打18得点で5回コールド勝ちを決めた。

 初戦から6打数4安打7打点と絶好調。昨年のセンバツ前は左肩を痛め、昨秋から今年の春先までは右ひざに痛みを抱えていた。迎えた最後の夏は、体の不安もなし。「確率も上がって安定して打てて、自分でも自信を持っていけると思います」と3年間でも最高の状態だ。

 この日は5球団11人の編成担当が視察。阪神和田豊球団本部付テクニカルアドバイザー(TA=55)は「高校生の中に1人大学生が入っているみたい」と称賛した。毎年夏前にはチームで4~5週間の強化練習を行うが、今年は「大阪桐蔭史上最長」(藤原)の6週間の強化練習をこなした。記録的な酷暑にも「暑ければ暑いほど、桐蔭に有利だと思っています」。通算28本とした本塁打数はまだまだ伸ばす。熱い夏の主役は譲らない。【磯綾乃】