龍谷大平安のサヨナラ勝ちで入部を決意した球児が、甲子園春夏通算100勝目のサヨナラ打を放った。

 同点で迎えた9回2死三塁で、2番安井大貴外野手(3年)が左翼線に運んだ。「絶対に自分が決めてやると思った。100回大会で、監督さんのために100勝させようと言ってきた。うれしいです」。原田監督がベンチ前で涙を拭う姿を見て、安井ももらい泣きした。

 小学6年生の夏に、龍谷大平安への憧れを強くした。94回大会に出場した同校を応援しようと、甲子園で観戦した。旭川工との1回戦は、壮絶な試合だった。1、2回で1点ずつ奪ったが、3回に同点を追いつかれる。その後は追いかける展開。しかし9回裏に2点差を追いつき、同点とし、延長戦に突入。11回にサヨナラ勝ちを決めた。スコアは9-8。「すごい。絶対に平安に行く」。夢を実現するために、必死で練習した。あれから6年。サヨナラ勝ちを自ら再現し、安井はヒーローになった。