第100回全国高校野球選手権大会の決勝で、金足農(秋田)が大阪桐蔭(北大阪)に2-13で完敗し、初優勝はならなかった。

<金足農ナインの声>

 1番・菅原天空 今大会3本の三塁打を放ち、1大会最多記録にあと1と迫っていたが、決勝では無安打に終わった。学校では吉田以上の女子人気だが「1点ずつでは追いつけない点差になってしまった」。自身の送球エラーから始まった4回の3失点を悔やんだ。

 2番・佐々木大夢 3回に右犠飛で1点を挙げた。「バントでつないでくれて、いい流れだった。走者をかえすことだけを考えた」。好きな言葉は「圧倒」。試合は圧倒されたが「大阪桐蔭に全力でぶつかれた」。バセドー病を乗り越えた主将業では他校を圧倒した。

 5番・大友朝陽 2犠打を成功させ「カナノウ」の持ち味を大阪桐蔭にぶつけた。大垣日大戦では勝ち越し本塁打も放ち「努力の結果。誇りに思う。歴史を塗り替えたことに満足しています」。吉田と披露してきた「侍ポーズ」の刀を、さやに収めた。

 6番・高橋佑輔 2安打を放つも得点には結びつかず、最後の打席では三振に終わった。「大会を通して自分らしくフルスイングができた。最後も気持ちのいい三振」と笑顔。秋田の自宅に帰り、悩みを聞いてくれる熱帯魚グッピーに準優勝を報告するつもりだ。

 7番・菊地彪吾 無安打に終わったが「しっかり守れた」と胸を張った。大垣日大戦では背中にセミをつけたまま三塁打を放ち、愛称は「セミ」に急変。「負けた時は悔しかったけれど、一生の宝物ができた。充実感でいっぱいです」と“ミ~ン”なに感謝した。

 8番・菊地亮太 吉田の球を受け続けた女房役は「ここまで来られたのは吉田のおかげ」と感謝した。前夜も2人で「優勝して歴史を塗り替えよう」と誓い、試合前には帽子のつばに「伝説の男#1吉田輝星」と記された。「9人が役割を果たした」と胸を張った。

 9番・斎藤璃玖 3回に四球を選び、佐々木主将の右犠飛で1点目のホームを踏んだ。豪快なヘッドスライディングに「観客の声援が雰囲気を高めてくれた」と感謝。危険物取扱者の資格を持つが、甲子園ではバントや遊撃の守備で“危険人物”として取り扱われた。