日本文理(新潟)のドラフト候補、150キロ右腕・鈴木裕太投手(3年)が3日、プロ志望届を提出した。今夏は4回戦で敗退し、2年連続の甲子園出場を逃したが、すぐに気持ちをプロ入りに切り替えて練習を積んでいる。希望は12球団すべて。自慢の速球をプロのマウンドで披露する目標を持ち、10月25日のドラフト会議を待つ。

プロ入りへの最初の手続きを終え、鈴木は気を引き締めた。「準備をしっかりしたい。プロ入りできたら、中継ぎ、抑えなど短いイニングをきっちり抑えられる投手を目指す」と目標をしっかりと見据えた。

夏の県大会後も体を動かしている。ウエートトレーニングとランニングで体重は夏と同じベストの87キロをキープ。投球練習は3日連続で投げ込んでは1日休む。「投げ込みをしないとフォームの感覚がつかめないので」。秋季大会(6日開幕)に備える後輩たちの練習では、打撃投手を務めている。

両親、日本文理の鈴木崇監督(38)と相談し、プロ志望届提出を決めた。鈴木監督は「届けを出したからといって、指名されるわけではない。ここから頑張らないと。自己管理と向上が必要」と一層の努力を促した。

それは肝に銘じている。実力に自信もある。8月、広島のスカウトが視察に訪れた。目の前で投球練習し、出した最速は140キロ。「ブルペンではいつも130キロ後半。試合になったら速い球を投げられる」と言い、「今、試合なら150キロを出せる」と度胸の良さを見せる。

今春の県大会準々決勝、上越戦で県内高校生初の球速150キロをマークした。夏の県大会は4回戦で新潟に敗れ、甲子園で150キロ台をマークするという目標は果たせなかった。悔しさから、甲子園のテレビ中継は見なかった。金足農・吉田輝星投手(3年)大阪桐蔭・根尾昂遊撃手(3年)らにも「意識するのはプロに入ってから」と今は目を向けない。

すでにセ、パ6球団が注目。今後は“鈴木詣で”の本格化が予想される。「引退してからも成長しているところをみせたい」。実力アップに尽力しながら、指名に備える。【斎藤慎一郎】

◆鈴木裕太(すずき・ゆうた)2000年(平12)8月2日生まれ、新潟市出身。東青山小2年で野球を始める。小針中では新潟シニアに所属。3年のときに全国大会に出場した。日本文理では1年の春からベンチ入り、昨夏の全国高校野球選手権1回戦・鳴門渦潮戦で先発。今春の県大会準々決勝上越戦で県内高校公式戦で初の150キロをマーク。182センチ、87キロ。右投げ右打ち。