今夏南北海道大会4強の札幌日大が、昨年まで南大会3連覇の北海を7-2で下し、13季連続の道大会へ白星発進した。4回、2-1としてなお2死二塁から、7番藤沢大翔(やまと=2年)が公式戦初アーチとなる左越え2ランを放ち、勝利への流れを引き寄せた。試合前日のミーティングで、チームメートの前で、4回に本塁打を打つことを宣言し、その通り実現。予言弾で粘る難敵を突き放した。

チーム最長身185センチの長距離砲が初公式戦で、いきなり火を噴いた。2-1と勝ち越した直後の4回2死二塁、藤沢は初球、内角の変化球を迷わずに振り抜いた。「打った瞬間、分かった。思わず手が上がった」。一塁を回ったところで右拳を掲げ、少しはにかみながら生還すると、ベンチでは今秋から復帰した森本卓朗監督(37)に、笑顔で迎えられた。

予言通りの1発だった。森本監督復帰後、試合前には勝利をイメージする「予祝(よしゅく)」の儀式をルーティンに盛り込んできた。試合前日の練習後、北海討ちのイメージトレーニング後、恒例の予言会で、藤沢が立候補。「4回に内角の球を打って本塁打にする」と宣言し、一気に盛り上がった。2回の公式戦初打席は併殺打に倒れたが、宣言通り、4回の2打席目で有言実行。ベンチのチームメートは「予言通りだ」と驚いた。

仲間の助言も、アシストになった。打席に入る直前、記録員の藤田拓夢(ひろむ=2年)から「初球は変化球が多いよ」とアドバイスを受け、指南通り初球の変化球をフルスイング。試合中に入手したデータも、貴重な2ランに生かした。

チームは2回戦から登場する精神的な出遅れ感を補うため、開幕2日前の1日に、札幌光星と公式戦用のユニホーム、背番号を付けた状態で練習試合を実施。結果は5-7で敗れたが、今大会が初のベンチ入りとなる藤沢は初戦の“予行演習”を経験し「背番号の重みを感じ、スイッチが入った。負けたことで危機感も増した」と効果を口にした。

今夏南大会は準決勝で甲子園出場の北照に敗戦。スタンドで声をからした藤沢は「先輩の分まで絶対に甲子園に行きたい」と言う。予言、データ分析、予行演習と下準備を徹底し、01年以来、17年ぶりの秋制覇を狙う。【永野高輔】