高校日本代表が1-3で台湾に敗れ、7番二塁で先発した常葉大菊川(静岡)の奈良間大己内野手(3年)は、3打数無安打だった。8回に代打で登場した根来龍真捕手(3年)も中飛に打ち取られた。ともにベンチから大きな声を出してチームを盛り上げたが、同代表は大会連覇を果たせなかった。今日8日は中国と対戦する。

常葉大菊川コンビのバットから快音は聞かれなかった。奈良間は、他の選手同様に相手左腕からタイミングを外され続けた。2回表2死一塁の第1打席で遊ゴロ、1-3の5回表無死の第2打席は二飛、8回表無死の第3打席も左飛に打ち取られた。「打てない投手ではなかっただけに、本当に悔しいです」。

8回表2死から指名打者の日置航(3年)の代打に立った根来は、7球粘った末に浅い中飛に倒れて唇をかんだ。「塁に出たかったのですが、ミスショットです。代打で1打席に懸ける集中力が足りなかった」。

奈良間は、先月27日の練習試合初戦は7番、同28日の大学日本代表との壮行試合で2番、同29日の明大との練習試合では6番を任された。常葉大菊川では主に1番か3番。大会前から「打順はどこでも、自分の役割をするだけ」と話していたが、今大会は15打数3安打の打率2割。静岡大会8割1分8厘の打棒は影を潜めているが、「当てにいかず振り切って、捉えるようにしていきたい」と言い、フルスイングを貫いた。

前日の決起集会では、金足農の吉田輝星投手(3年)報徳学園の小園海斗遊撃手(3年)らとテーブルを囲み、焼き肉を食べて士気を高めた。この日の試合前練習でも一番大きく、響く声を出して雰囲気を盛り上げていた。8回裏には、小園との好連係で併殺を完成し、守備では「らしさ」を見せた。

チームはこの1敗で大会連覇の可能性が消滅。だが、3位になれば、来年のワールドカップ出場権が得られる。「何としても勝たないといけない」と根来。常葉大菊川コンビは、日本の誇りに懸けて戦い抜く。【鈴木正章】