夏準Vの新発田(新潟)は新潟西に3-0で勝った。公式戦初登板の背番号8をつけた左腕・新保景士(けいと)投手(2年)が「二刀流」の奮闘を見せた。先発のマウンドで8回被安打4の無失点。1番打者として1-0の5回に右翼へのソロ本塁打で追加点を挙げた。みどりと森の運動公園野球場で行われる予定だった新津工-新潟南は降雨のため順延となった。

投球のリズムも、制球も新発田の新保投手は乱さなかった。公式戦初登板、初先発のマウンドで淡々と投げ、相手スコアボードに0を8回、横並びにした。エース新田翔星投手(2年)と交代するまで、8回を114球投げて無失点で切り抜けた。打たせて取る投球で、被安打4の4奪三振。「制球に不安があったけれど、少しずつ落ち着いていった」。準優勝した夏以降に本格的な投球を始めた背番号8は、高校でこれ以上ない投手デビューを果たした。

菅勝監督(44)は話した。「練習試合を通じて、これだけ長いイニングを投げたのは初めて。後半は新田でいこうと考えていたが、新保は思いのほかいいテンポで投げていた」。本丸中2年の秋まではエースだった。「ストライクが入らず、やりたくなくなった」と高校入学後は野手に専念した。今夏は1番打者の中堅手として先発。「(右の)新田と左右の2枚看板を作りたい」という菅監督の意向で投げ込みを開始した。夏のエース当摩信之介投手(3年)から体重移動などのアドバイスを受けながら、短期間で投球フォームを整えた。この日は2四球と制球は安定していた。

初登板の投球が好調なら、新保の好きな打撃は絶好調だった。1-0の5回は先頭で右翼芝生席にソロ本塁打。「初球は様子を見ようと思ったけれど、好きなコースだったので」と初球の内角の直球を振り抜いた。佐渡総合との夏の初戦(2回戦)でも2ランを放っただけに、夏秋初戦で連続本塁打だ。「昨年の自分を超える」とシングルヒッターから長距離ヒッターに変身中。「得点が止まったところで、あの1本は大きい」と話した菅監督は「きょうは新保さまさまだった」と投打に存在感を見せつけた新保に手放しだった。【涌井幹雄】