今年8月に智弁和歌山の監督を退いた高嶋仁氏(72)の勇退パーティーが1日、和歌山市内のホテルで行われた。同校や智弁学園(奈良)のOBが約200人集まり、名将の48年にわたる功績をたたえた。

15分を予定していた高嶋氏のあいさつは40分におよんだ。プロで阪神高代延博2軍チーフコーチ(64)や中日岡田俊哉投手(26)日本ハム西川遥輝外野手(26)も出席した。

「こうして顔を見ていると、俺より年上がおるんちゃうかという人もいる。48年間の思いはただ1つ。何とかこいつらを甲子園に連れて行きたいという一心だけだった。68勝は監督ではなく、選手たちが積み上げた勝利です。でも勝ったのは選手だけど、その選手たちを作り上げたのは私。それは忘れないで」。名調子で爆笑をとった。

智弁学園の監督を経て、智弁和歌山へ。甲子園歴代最多の38度出場、103試合、そして68勝。全国制覇も3度成し遂げた。今春も準優勝し、今夏の100回大会出場を最後に勇退した。名誉監督の肩書で部に残り、教え子の中谷仁監督(39)とともにグラウンドに熱い視線を注いでいる。

来春の選抜大会ではテレビ解説の予定も入っているという。「“甲子園デビュー”ですわ。ワクワクした気持ちを持って行こうと思う。テレビは見ないでほしいです。『誰でも捕れるやないか!』と言ってしまいそうで。『難しいバウンドでしたね~』と言えるように、しっかり勉強したい。そうしたら長いこと解説をできるでしょう」。新たな野球人生も大きな注目の的になりそうだ。