日本高校野球連盟が夏の甲子園大会の熱中症対策を本格化させることが26日、分かった。準決勝・決勝のプレーボール時間を早める案や休養日を2日に増やすことなどを候補に、来年1月の運営委員会で検討する。決まれば来夏の第101回全国高校野球選手権(甲子園)から採用される。

高野連は今夏、日本列島を襲った猛暑の影響を、深刻に受け止めている。現実的な対策として、まずは決勝・準決勝の開始時間を早めることを検討する。今年は決勝が午後2時開始。準決勝は第1試合が午前10時。第2試合は午後0時30分に設定された。開始を早めれば午後の最も暑い時間帯は避けられる。一方、準々決勝など4試合が行われる日については、重要な検討課題になりそうだ。

もう1つが休養日の増加だ。13年から夏の甲子園は準々決勝の翌日に休養日を設けていたが、準決勝の後などにもう1日設けることを検討する。甲子園を本拠とするプロ野球の阪神球団と同球場には打診済み。プロ野球の日程の関係上、大会期間を大幅に長くすることはできないが、休養日が2日なら大きな問題はないという。球児の体を守るためのさらなる変革が注目される。

◆今夏の熱中症対策 甲子園では開会式のリハーサルと本番で全参加者に水のボトルを持たせ、途中で給水させた。試合中にも本部の判断で給水タイムがとられた。ベンチのクーラーは従来より1・5倍の強度で稼働。アルプス席にはミスト(霧)の散水機を3台ずつ用意。球場の内外に大型の扇風機も設置した。なお、タイブレーク制は18年センバツから導入され、今夏に甲子園で初めて実施された。