【第3試合(14:00)啓新(福井)-桐蔭学園(神奈川)】

創部7年目で甲子園初登場の啓新は粘り強さが身上。記念星を目指す。

主戦の安積航大投手(3年)を軸にする投手陣は大崩れしない。守備からリズムを作るスタイルが確立されている。昨秋は終盤勝負のパターンで勝ち進み、県大会3位から甲子園切符を勝ち取った。

北信越大会の決勝では安積とサイド右腕の浦松巧投手(3年)が星稜(石川)・奥川と投げ合い、2-2の延長ドロー。再試合の末に敗れたが、地力の高さを示す激戦だった。

打線は大砲不在で、昨秋のチーム打率も2割8分7厘ながら、俊足や巧打の嫌らしい打者が並ぶ。主将の穴水芳喜捕手(3年)から始まるクリーンアップは勝負強い。植松照智監督(39)は昨年4月に就任。基礎を大事にする練習で、チームカラーを作り上げた。

◆啓新のおもなOB 阪神牧丈一郎

16年ぶり6度目出場の桐蔭学園が上位進出を狙う。1966年に創部。71年夏に初出場初優勝を飾った。82年からは土屋恵三郎氏が率い、一時代を築いた。片桐健一監督は07年に就任。その後、部長、コーチを経て17年9月に復帰。監督としては初めての甲子園となる。

昨秋、24年ぶりに関東大会優勝。主将で3番の森敬斗内野手(3年)は打率3割4分を残す。1回戦の常総学院(茨城)戦で逆転サヨナラ満塁本塁打。決勝の春日部共栄(埼玉)戦では2本塁打。勝負強い打撃で、攻撃の核となる。

投手陣は継投を基本とするが、左腕の伊礼海斗(3年)が防御率2・22で安定感を増している。最速は130キロ台にとどまるが、癖のある直球を両サイドに投げ分け、変化球とのコンビネーションで打ち取る。

関東王者として臨んだ明治神宮大会だったが、初戦の筑陽学園(福岡)戦で1-10の7回コールド負け。再びの全国舞台で、一冬を越えた成長を見せる。

◆桐蔭学園の主なOB 前巨人監督高橋由伸、ロッテ鈴木大地、楽天茂木栄五郎