今秋ドラフト1位候補の大船渡(岩手)佐々木朗希投手(3年)が31日、栃木・矢板市内での作新学院(栃木)との練習試合で今季初登板し、3回6奪三振。自慢の直球は最速156キロをマークした。

ネット裏にはNPB12球団に加え、メジャー6球団も合わせた18球団45人のスカウトが集結。甲子園未出場のため、この日が初視察のスカウトも多かったもよう。衝撃的な佐々木の投球には、普段は冷静な表情で実力を見極めるプロたちも、一様に興奮していた。

以下、スカウトの佐々木評(順不同)。

▽ヤクルト橿淵スカウトグループデスク「潜在能力や才能に素晴らしさを感じる。投げる、走る、打つ。球速以外の才能もある。能力があとどれだけ眠っているのか。次元が違う。(1位評価は)揺るぎない」

▽日本ハム大渕スカウト部長「高校生としては、規格を超えてしまっていると思う。とにかくエンジンが大きい。誰かと比較しようにも、規格を超えてしまっているので、イメージが難しい」

▽ソフトバンク福山アマスカウトチーフ「エンジンが違う。17歳3カ月の時点で、これくらいの球を投げた投手は過去にさかのぼってもいないのでは。大事な大会でもっとアドレナリンが出たら、どこまでの球が来るのか」

▽巨人長谷川スカウト部長「衝撃を受けた。18・44メートルではなく、14メートルの距離で投げている感じがする。走り方を見たら、プロのトレーニングにも十分対応できると思う。もっと大きくなる。ストレートのキレは、今プロに入っても3本の指に入る。びっくりした」

▽楽天後関スカウト部長「何も言うことなし。とにかくいい。見た目の姿もいい。意外と器用で、思った以上に完成度がある。スカウト歴27年でも、トップ10に入る。松坂や小野仁…彼らに匹敵するくらいの衝撃度だった。大谷みたい、という表現はよく聞くけれど、それくらいのスケールはある」

▽ロッテ永野チーフスカウト「フォームも球筋も、体のサイズもいい。普通に投げた感じでしっかりアウトコースにも自然と決まる。ギアを上げるのがうまい。現時点での課題がなかなか見えない。ドラフト1位候補なのは間違いない」

▽中日八木スカウト「抜群にいい。ゲームの中でいろいろ試しながら、組み立てられている。現時点でも2軍でなら全く遜色ないし、1軍で投げられるレベルにもあると思う。キャッチボールで遊びで投げているカーブを試合で投げられれば、もっと幅が広がって、楽な投球ができる」

▽フィリーズ大慈弥環太平洋担当部長「素晴らしいの一言。大谷(エンゼルス)君と肩を並べる素材です。球速自体は佐々木君が上だし、ああいうスライダーもなかなか見られない球。あとは体力。1、2年すればすごい投手になる」