最速163キロ右腕・大船渡の佐々木朗希投手(3年)が25日、岩手県内で行われた盛岡商との練習試合に「4番投手」で先発し、113球を投げ、2安打10三振、7-0で今季初の完封勝利した。

夏に向け、着実にモデルチェンジをしている。この日の最速は145キロながら、常時138キロから140キロのスピードで真っすぐと変化球の緩急を交え、コーナーを突く投球で打者を手玉に取った。変化球を中心に追い込むとカーブにスライダー、フォークで三振に。7回以降は相手バッターが早打ちになるのを逆手にとり、キレのあるストレートと伸びのあるスライダーで打ち取った。

春先は真っすぐ中心の配球も、4月20日の仙台育英との練習試合から、少しずつ変化球が多めの投球に。4月中旬に測定した骨密度から「まだ大人の体になっていない」という理由から球速は抑え目の投球、といわれている。しかし、練習試合を重ねるごとに、変化球のキレ、コントロールと精度が増し、自在に操れることを証明した。

巨人の柏田貴史東日本統括スカウトは「スライダー、カーブと思い通りに投げている。器用さを感じるし、1球1球レベルが高い。すばらしい能力を持った投手。楽しみですね」と絶賛した。

練習試合を重ね、配球や緩急を考えた投球で引き出しを増やしている佐々木。夏に向け、進化し続けている。