新任部長の夏が終わった。伊那北(長野)・黒岩耕平部長(33)は「チャンスはつくったが、1本が出なかった。向こう(長野東)が上だった」。2回以外は毎回走者を出すも、1点のみ。もどかしそうだった。
東大野球部出身で、神宮でもプレーした。学生コーチをへて“5年生”の時には助監督も務めた。卒業して大手保険会社に就職したが「高校野球に携わりたい」と2年で退職。通信制で勉強を続けながら、再び母校の助監督となる。2年で教職免許を取得。郷里の長野に戻った。
上伊那農の部長、監督をへて、今春、伊那北に赴任。同期採用の田中学歩監督(34)と二人三脚で指導にあたる。「私は東大で野球をしたくて勉強を頑張れた。生徒たちにも、目標があれば頑張れるということを伝えたい」と決意を口にした。最後は、涙にくれる選手たちを見ながら「勝たせてあげたかった」。再び挑戦が始まる。

