“キングオブミート”が常磐大高(茨城)を引っ張る。大和佑一郎外野手(3年)は、下館一戦で3打数1安打2四死球。チームの延長12回サヨナラ勝ちに貢献した。「マークされながらもミートを意識できて良かった」と、チーム2点目となる適時打を放った3回を振り返った。

どうしても恩返ししたい相手がいる。2年前に亡くなった祖父の公通さんだ。大和の試合を応援に行く途中、脳内出血で倒れた。「あの後は悲しくて荒れてしまいました」。この日も仏壇に手を合わせて試合に臨んだ。スタンドでは、41年前茨城東で甲子園出場経験のある父公一さんが観戦。「ご先祖様も背中を押してくれた」と活躍を喜んだ。

実家はA5ランクを多く出荷する常陸牛の生産農家。チームメートからも「野球のミートはチーム一。肉のミートは日本一」と、太鼓判を押される。力の源は母ゆかりさん手作りの焼き肉弁当。A4サイズの弁当箱に茨城産コシヒカリを詰め、秘伝のタレが染みこんだ400グラムの肉を敷き詰める。肉はA5ランクを使用し、「高級店で食べたら7000~8000円」という超豪華弁当で英気を養ってきた。

好きな野球選手は中日松坂。野球でも家業でも“松坂”には負けられない。【倉田祥太】

◆大和佑一郎(やまと・ゆういちろう)2001年(平13)8月23日。茨城県茨城町まれ。小6で野球を始める。水戸シニアでは東関東大会ベスト4。夢は家業を継ぐこと。趣味は映画観賞。好きな肉の部位はヒレ。家族は両親、姉、弟。181センチ。77キロ。右投げ左打ち。