横浜隼人(神奈川)の背番号「20」加藤大投手(2年)が快投を演じた。「全球ストレート」で2安打15奪三振の完封勝利。10年ぶりの夏の甲子園出場を目指すチームを勢いづけた。

適度に荒れる力強い直球で空振りの山を築いた。大磯を8回1死まで無安打無得点。試合中はポーカーフェースを貫いた右腕だが、ノーヒットノーランを意識したかという問いには「少し意識しましたが、打たれてしまったので切り替えてやりました」と表情を緩めた。抜てきした水谷哲也監督(54)も「3、4回で代えていこうと思っていました。うれしい誤算ですね」と驚く完封劇だった。

昨年夏はベンチ外。同10月には左足裏を痛め、4カ月以上、走ることができなかった。しかしその間に、上半身のトレーニングを積んで体重は7キロ増。入学時に最速133キロだった真っすぐも、今春には141キロにまでアップ。欠かせない戦力にまで成長した。

次戦の相手となる日大藤沢が偵察する中、最速145キロのプロ注目左腕、佐藤一磨投手(3年)は中盤に肩を作っただけで、温存できた。エースに次ぐ2番手として、加藤が大きな仕事を果たした。【鈴木正章】