昨夏準Vの白鴎大足利が初戦で敗退した。黒羽を上回る8安打を放ち得点圏に走者を進めながら、あと決定打を欠いた。

高橋諒大主将(3年)は今春にヘルニアを発症。ケガで思うように動かない体に、声と気迫でむちを打ち続けた。「ケガで自分が足を引っ張ってきた。でも、一戦必勝でとにかくポジティブにやってきた」。試合は「序盤の攻防がすごく、思うようにいかなかった」と振り返り、1球の重みを思い知らされた。

藤田慎二監督(40)は「全て監督の責任です。力を発揮させてあげられなかった」と悔やんだ。「この代は、ここ数年で一番、野球に時間を費やしてきた。すばらしい代でした」と最後まで戦い抜いた姿をたたえた。

終了後は、ベンチ前で泣き崩れたナインにかける言葉が見つからなかった。「『ごめんな』と言うのは簡単。しかしそうではなく、選手たちには未来がある。これからの人生に、今日の敗戦が生きるような言葉を掛けたいです」と、選手の背中を優しく押した。【佐藤勝亮】