“栃木の横綱”作新学院がコールド発進した。

初回に1点を失うも、3番で出場した日本ハム石井一成内野手(25)を兄に持つ、石井巧内野手(3年)の本塁打などの活躍で15安打13得点で勝利。小針崇宏監督(36)は「自分たちのミスから失点しているしね。いつも通りの野球です」と想定内の展開だった。

午前7時58分。第98回甲子園大会を優勝に導いた小針監督を先頭にナインが会場入りした。小針監督の後ろにいた石井は「少し緊張しています」と顔を緩めた。ゲームは本塁打を含む3安打の大活躍。「今日はノリノリでした」。打席ではいつも見せない雄たけびをあげた。

「自分はホームランバッターではない」。5回無死、高校通算4本目となった本塁打は「先頭だったので思い切りいったのがたまたまです」とおごらない。1番尊敬しているのは身近にいる兄だ。「兄と比べられる事が嫌だったこともある」と苦悩も告白した。次戦は「多くても2球しかない、捉えられる球をモノにする」。石井弟じゃない。石井巧だ-。そう言い放ったような大会初戦の本塁打だった。【佐藤勝亮】