昨夏4強の関東学園大付が延長10回、粘る高崎商大付を振り切った。

1-1で迎えた延長10回、関東学園大付は1死から阿久津涼捕手(3年)が右越えに三塁打を放った。「50メートル7秒2」のチームでも指折りの「鈍足」を飛ばして、阿久津が三塁にヘッドスライディングすると、もうベンチは大騒ぎ。続く、藤家達也投手(3年)が左前に決勝打を放った。最後は3番手で登板していたその藤家が、相手を抑えての4強入りだ。

「(打者が投手でも)スクイズはまるで考えていなかった。藤家は打撃もいいんです」と羽鳥達郎監督(30)は興奮気味。

殊勲の阿久津は「足が遅いので三塁打なんて初めて。三塁コーチが手を回しているのを見て、マジか? と思った」と照れ笑い。

羽鳥監督は「攻守で粘れたのが大きい。このムードを大事にしたい」と手綱を締めてかかった。