強打は健在だ。夏の埼玉大会4連覇中の花咲徳栄が秋春埼玉優勝の春日部共栄を倒した。初回に池田悠真外野手(3年)の先頭打者本塁打をきっかけに好投手村田賢一投手から一挙4得点。

2~5回に1点ずつ加えられ同点に追いつかれるも8回2死一、三塁で代打吉倉英俊主将(3年)が内野安打を放ち逆転に成功した。9回にも2点を加え15安打と打ちまくり激闘を制した。

打線の2~5番は昨夏の甲子園経験者だ。5番羽佐田光希内野手(3年)は5打数4安打の大当たり。左中右左と打ち分け「ゾーンに入っていました。何でも打てる感じでした」と振り返った。

8回には吉倉の内野安打の間に貴重なホームを踏んだ。岩井隆監督(49)が「三塁までいけたのが大きかった。良く足が動いていた」とワイルドピッチの間に三塁に進塁した羽佐田の集中力を評価した。

昨冬に右の第一肋骨(ろっこつ)を疲労骨折し左手だけで毎日500球ティーバッティングをしたことがパワーアップにつながった。「左手の手首をうまく返せるようになって飛ぶようになりました」通算15本塁打中、新チーム始まってから10本打っている。

兄将希さん(20)のオリックスジュニア時代の友達で同校OBの西川愛也内野手(西武)に憧れ兵庫から進学を決めた。

兵庫から応援に訪れた将希さんは「自分とは違って弟は努力家ですね。1人で公園の壁当てとかしてましたね」と懐かしむ。

今大会早くも81得点。全国制覇した2017年は決勝含め69得点。過去4年のチームと比べても断トツの数字だ。羽佐田ら昨夏の経験者を中心に強打で史上初の5連覇をつかみ取る。【佐藤成】