履正社(大阪)が豊中市内で21日、星稜(石川)と対戦する22日の決勝に向け最終調整を行った。フリーバッティングを中心に、約2時間汗を流した。

履正社の「第1打席サイクル男」こと、1番桃谷惟吹(いぶき)内野手(3年)は、宿敵奥川撃ちに気合十分だ。

「春は完全に抑えられてしまった」とセンバツでは、星稜・奥川恭伸投手(3年)の球威、変化球に圧倒され、3打数無安打2三振。以降は、打撃フォームを改良し、足を上げる高さを抑え、始動が早くできる現在のフォームに固定した。

桃谷はこの夏の甲子園で、全5試合の第1打席で全出塁。1回戦の霞ケ浦戦の先頭打者弾から振り返ると、本塁打、二塁打、単打、二塁打、三塁打と「初回サイクル」を達成。リードオフマンとしてフル回転中だ。「甲子園でいい投手(津田学園・前佑囲斗投手ら)とやってきて、今までの成果が出ている。奥川君くらいの投手でも甘い球がくるので1球で仕留めたい」。

岡田龍生監督(58)も桃谷をキーマンに挙げ、「桃谷の活躍が決勝までこれた大きな要因。チームとして士気も上がる。1番とクリーンアップがどう対応してくれるか。明日(22日)は競った中でやるしかない」と、決戦を見据えた。