悲願の世界一へ、ダブルエースを温存する。U18W杯(30日開幕)に出場する高校日本代表が28日、韓国入り。星稜・奥川恭伸投手と大船渡・佐々木朗希投手(ともに3年)の両ドラフト1位候補右腕が、1次ラウンド5試合で登板しない可能性が高いことが分かった。

奥川には甲子園決勝まで戦った疲労が残り、佐々木は右手中指の血マメが完治していない。興南の左腕・宮城大弥投手(3年)ら先発候補が好調なこともあり、ともに1次ラウンドでは調整に専念する可能性が高い。現在ノースロー調整中の佐々木は「投げない試合は声出しやサポートで、他の選手がスムーズにできるように」と話した。

9月1日の1次ラウンド3戦目、米国戦が最初の勝負どころになる。チーム関係者が「最も警戒している」として研究を重ねる4大会連続優勝中の強豪に対し、チーム内には「あえて1次ラウンドで(奥川、佐々木を)ぶつける必要があるのか」との意見がある。米国とは各ブロックの上位3カ国、計6カ国が出場するスーパーラウンドで再戦の可能性が高く、万全で投入する青写真を描く。

1次ラウンド米国戦先発が有力視される宮城をはじめ、大駒2枚の温存には投手陣全体の奮起が必要だ。スタートダッシュをかける大事な30日スペイン戦、31日南アフリカ戦は、ゲームメーク能力に定評がある津田学園・前佑囲斗投手、智弁和歌山・池田陽佑投手(ともに3年)らの先発が予想される。

期間中は雨予報も多く、ダブルヘッダーになる可能性も残る。東邦・石川昂弥(3年)ら投手経験もある野手陣も含めた総動員で投げ抜き、奥川と佐々木の100%を待つ。