【機張(キジャン・韓国)7日】高校日本代表はU18ワールドカップ(W杯)のスーパーラウンド・オーストラリア戦に1-4で敗れ、5位に終わった。

9月末の茨城国体に出場する星稜・奥川恭伸投手(3年)ら数人を除き、日の丸メンバーの多くが高校野球を終えた。奥川と大船渡・佐々木朗希投手(3年)を筆頭に、3年生18人中最大12人が10月17日のドラフト会議で指名される可能性がある。W杯の経験を生かし次のステージへ向かう。

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試合終了の瞬間、日本ベンチはため息に包まれた。台風13号の影響で秒速20メートル超の強風が吹き荒れる中、安打はわずか3本。力ない外野フライと内野ゴロを量産し、1-4のスコア以上の完敗だった。

ベンチ前列の佐々木も5秒間、固まった。自身は血マメで満足に投げられず「悔しいです」と唇をかみながら「一緒に戦った時間は本当に楽しかった」と仲間に感謝した。

5位で終わるには不本意なメンバーだった。帰国後に国内プロ志望を明言する予定の佐々木を筆頭に、3年生18人のうち最大で12人がドラフト指名される可能性がある。ライバル奥川も、茨城国体を控え「(プロ志望届は)生半可な気持ちで出せるものではない。最後まで考えたい」と慎重に話したが、ドラフト1位指名競合は濃厚だ。

投打でチームMVP級の活躍を見せた創志学園・西純矢投手はプロ志望が既定路線だが「高卒プロは大変だと思う。大学で4年間というのもありなのかなと。いろいろな選択肢から考えたい」と話した。このW杯で他校、他国選手とも積極的に交流し、将来をしっかり考え抜いたようだ。

不動の4番だった東邦・石川昂弥内野手は大きな自信をつけた。「150キロ近い投手に対して木のバットで自分のスイングができた。現時点では問題なく振れています」と、今回のチームで群を抜いていた打撃で日本を代表する打者を目指す。

4人に加え、プロ志望の興南・宮城大弥外野手、プロ志望届提出を迷う桐蔭学園・森敬斗外野手を合わせた6人は、ドラフトで上位指名の可能性がある。いつか侍JAPANとして再結成するかもしれない球児たち。自分の道を定める秋が始まる。【金子真仁】

▽飯塚脩人投手(習志野)「今はプロは考えていません。大学で続けたい。今回も自分よりいい投手がたくさんいた。経験を生かしていきたいです」

▽宮城大弥投手(興南)「課題を解決しないと上のステージでは通用しない。しっかりと準備していきたいです」

▽森敬斗内野手(桐蔭学園)「まだ具体的には決めていません。最終的にはプロで活躍することを目指しています」