東海大相模が桐光学園を破り、2年ぶり13度目の優勝を飾った。また、今年春、夏、秋と3季連続の県大会制覇を達成した。

巨人金城龍彦2軍打撃兼外野守備コーチの次男・龍輝投手(1年)が流れを引き寄せた。同点に追いつかれた後の5回から登板。「打者1人1人に集中して思い切り投げることだけを考えた」と変化球にも腕を強く振った。「今日は得意のスライダーが良かった」と5回を投げ、1安打6奪三振。無失点に抑える好救援で、守備から攻撃へリズムを作った。

東海大相模へは、2歳年上の兄・飛龍内野手(3年)に憧れ、日本一になることを目指し入学した。今夏は、甲子園のスタンドから応援。「甲子園は圧倒的な存在感があった。あの場に絶対に立ちたいと思いました」と誓った。この秋からベンチ入りを果たすと、兄・飛龍から「どの試合も、自分が投げるつもりで。強気で向かっていけ」と激励された。3回戦の湘南学園戦に続く2試合目の公式戦マウンドにも、動じることなく、時折、雄たけびを上げながら強気に投げ込んだ。

「入学したときは憧れの存在。今は支えてくれる存在。でも今はいつか兄を超えたいと思っています」と躍進を口にした。

元プロ野球選手の父と、甲子園出場の兄という恵まれた野球環境に育ち、今、さらなる高みを目指し成長中だ。

「父? 父はもっとずーっと上の存在ですから」と笑う。いつか「父を超えたい」と思うときが来るかもしれない。