大阪桐蔭(大阪1位)が明石商(兵庫2位)を下して4強入りを決め、2年ぶりのセンバツ出場を濃厚にした。

3点を追う3回2死一、二塁から、3番西野力矢内野手(2年)が「甘いまっすぐ狙ったら打ち崩せると思った」。3球目を捉えて「初めて」と逆方向の右越えに同点3ランを放った。最速151キロ右腕・中森俊介投手(2年)からの1発。「低めの変化球をどれだけ見逃せるかがカギになると言われていた。その後のボールを打てるかどうかだった」とデータ班が分析した通りに狙い打ち。2ボールまで見送り、次に来た外の直球を捉え「僕が打ったら流れが来る。打ちたいなと思っていた」と思惑通り。6回には2死二、三塁から中森の暴投で勝ち越し、これが決勝点となった。

この準々決勝は1つの壁だった。昨秋は準々決勝で敗退し、センバツ出場を逃した。「この試合はなんとしても勝つと。先輩たちに練習をサポートしてもらって、昨日も『頑張れよ』と言ってもらった。今日その分を返せたかなと思います」。主軸としての働きに胸を張った。

1点を争うゲームを制し、西谷浩一監督(50)は「先に3点を取られてこういう展開はあまりなかったのでいい勉強になった。去年はここで負けて悔しい思いをした。このチームはとにかく甲子園に対して飢えているチーム。しっかりやっていきたい」。思い焦がれた甲子園出場はほぼ手中。今チーム発足時に立てた「秋日本一」の目標実現へ。明治神宮大会出場まではあと2つ。次戦は11月2日の準決勝で智弁学園(奈良1位)と対戦する。

会場はこの日の試合を観ようと、前夜からチケット売り場で場所取りをする徹夜組が現れるなど、夏の甲子園と同じような状態に。当日朝もチケット売り場には長蛇の列ができ、内野席は満席。外野席もびっしり埋まり立ち見客も多数いたほどの盛り上がりだった。