帝京がサヨナラ勝ちを収め、決勝進出。11年夏以来となる甲子園出場へ、さらに前進した。

0-2の6回、1番武者倫太郎一塁手(2年)と加田拓哉外野手(2年)のソロ2発で追い付いた。迎えた9回、2死一、二塁で尾瀬雄大外野手(1年)が中前にサヨナラ打を放った。

尾瀬は今大会初スタメンだった。しかも、本職は二塁だ。9回までの3打席は、見逃し三振と、引っ張ってのゴロが2つ。最後の打席で1ボールの後、前田三夫監督(70)からの伝令で「逆方向の意識を持て」と言われた。

「ずっと引っ張っていたので、逆方向へ打つ意識でした。相手の投手は直球がいいので、直球でストライクを取りに来ると思いました」と、カウント3-1からの直球を中前へライナーで運んだ。

前田監督は「(尾瀬は)とにかく勝負強い。何とか(ヒットを)出してくれと、期待はありました」と振り返った。決勝戦に向けては「ここまで来ましたから。今は選手に任せています。いい動きをしています」と選手への信頼を口にした。