第92回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)に出場する白樺学園が18日、宮崎遠征に出発した。昨秋、明治神宮大会遠征メンバーに選ばれながら、自転車転倒による負傷で2年生で唯一同行できなかった内田翔内野手が、全部員33人中25人の遠征組に食い込んだ。「センバツでベンチ入りできるよう、打撃面でアピールしたい」と意気込んだ。

昨年10月、明治神宮大会の遠征用の下着などを帯広市内で購入し、芽室の自宅に帰る途中だった。下校ルートと違う道で、走行中に段差に気づかず1メートル下のコンクリートに転落した。「暗い中、いきなり前の道がなくなった感じだった」。頭を強打し右前頭部を6針縫う裂傷を負った。

当然メンバーから外れ、頭部打撲の影響で約1週間、歩行もできず自宅安静を余儀なくされた。明治神宮大会4強と活躍する仲間の姿はテレビで見守ることしかできなかった。「あのときの悔しさを、遠征で爆発させたい」と前を向いた。

芽室中時代は右腕投手で昨秋、内野手に転向。長打力に強肩を兼備し、三塁手で高校初のベンチ入りを狙う。戸出直樹監督(44)は「内野陣の、いい競争を生んでくれたら」と期待。新戦力をカンフル剤にし、チーム全体の底上げを図る。【永野高輔】

○…白樺学園の戸出監督が、25日まで7泊8日の宮崎遠征のテーマに“連係”を挙げた。冬場は選手各自に筋力トレーニングを課しており、今年初となる屋外練習では、チームとして組織的な動きを確認する。22、24日には紅白戦を予定。「特にサインプレーや、状況に応じた守備位置の部分など。それぞれ肩も強くなっていると思うので、中継に入る位置をどうするかも、決めてきたい」と話した。