新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、第92回選抜高校野球大会(19日開幕、甲子園)は、無観客試合を前提に準備を進め、開催の可否は11日に正式決定する。14、15年に東北6県の小学生選抜チーム「楽天ジュニア」でプレーした選手たちも不安に揺れる中、本番に備えている。21世紀枠で出場する磐城(福島)のエース沖政宗投手(2年)もその1人。当時監督を務めた楽天塩川達也1軍内野守備走塁コーチ(36)が、教え子に熱いエールを送った。【取材、構成・野上伸悟、佐藤究】
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プロ野球オープン戦も無観客試合が続く中、楽天塩川コーチにとって、球児たちの置かれた状況は、決して人ごとではなかった。
塩川 状況が状況なので仕方がないし、従うしかないと思う。でも、少しでも通常に近い状態で試合ができることを願う。お客さんに見てもらうのもそうだけど、テレビで放送されているというのは、アマチュアの子らには大きなことだと思う。僕も思い出に残っている。何とか実現してほしいなと思います。
選抜には楽天ジュニアの教え子たちが多数出場する。東北だけでも仙台育英(宮城)の宮本拓実外野手(2年)、小野寺真輝捕手(2年)、笹倉世凪投手(1年)、伊藤樹投手(1年)、渡辺旭内野手(1年)らが在籍していたが、中でも強く印象に残っているのが磐城の沖だった。
塩川 沖君は当時から勉強も頑張りながら、本当にチームのことを考えて一生懸命やる姿が、チームで一番という感じだった。甲子園が決まった時に、神様はそういう子をしっかり見ているんだなって思った。お父さんにも「一生懸命やっていたら夢でもかなうんですね」と話しました。だから、なおさら甲子園でプレーしてほしいと思います。
-磐城でもエースでありながら、いつも明るくチームを盛り上げている
塩川 楽天ジュニアでも一番元気だった。スター軍団の集まりなんですけど、チームをうまくまとめてくれる感じでした。その頃からリーダーシップはありましたね。あの子は本当にしっかりしている。それでいて冗談も通じるし、いろんな対応ができる。変にまじめなだけでなく、面白さも兼ね備えてるし、良い意味でばかになれる。チームのためにっていうのはすごく強い子でした。
-高校での活躍は知っていましたか?
塩川 磐城が21世紀枠候補に上がった時から、うわさは聞いていました。磐城は『勉強も』というふうに選ばれたから、すごくうれしかった。もちろん他の子もうれしかったけど、沖君は余計にうれしかった。
-プレーは見ましたか?
塩川 沖君の投球を見たいよね。投手の彼をあまり知らない。楽天では内野手で、サードで使ってミスして試合中に泣いちゃったんですよ。そんな姿もかわいかったなあ(笑い)。本当に一生懸命やる子だった。
-教え子たちにエールを
塩川 楽天ジュニア出身の選手たちはかなり気になる。確か山梨学院のショート小吹君(悠人、2年)も、沖君と同じ小名浜少年野球教室だった。選手たちには小6のお別れ会で『今後の僕の楽しみは、みんなをテレビで見ることだ。その時に僕がプロにいるかわからないけれど、ゆくゆくは一緒にやれたらな』って話をした。来年まで自分がコーチがでいられたら、ドラフトで初めてそのチャンスの可能性が出てくる。すごく楽しみですよ。

