全国屈指の強豪、花咲徳栄(埼玉)の岩井隆監督(50)が1日、複雑な心境を吐露した。

新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言は5月いっぱいまで延長の見通し。高校野球を取り巻く環境が厳しくなっているが、電話取材に「夏の大会はもちろんやりたい。でもやった時のリスクを考えると怖い」と話した。

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チームは現在、学校内で自主練習という形を取っている。全120人の部員で、自宅通学の40人は練習不参加とした。80人の寮生は、方針を各家庭に委ねた。実家に戻るか寮で練習を続けるか。選手と保護者の話し合いの場を設け、選択を尊重した。残ったのは寮生約40人。外部との接触を断ち、感染対策を徹底した上で汗を流している。夏の選手権が開催されることを信じて。しかし、現状のままで開催してほしいかとなると岩井監督は「半分半分」と率直な心境を打ち明けた。

理由はウイルスよりも準備期間にある。現状、活動できていない学校がたくさんある。「炎天下で、あれだけの緊張感の中では、体力の消耗は激しい。試合を通して実力を出し切る体力が保つか、熱中症など安全面が心配」と懸念した。通常時であれば練習や実戦を重ねて状態を上げていく時期。いきなり本番となっても、万全ではないチームが出てくる可能性を挙げた。

学校は4月27日からオンライン授業で再開。7日からは社会科教諭として授業も行う。高校総体が中止となり、影響を受ける生徒も多い。「子どもたちには『すべてではない。自分たちのプレーで感動を与えられるときが絶対来る。その日のために、今限られたことをやってほしい』と伝えます」と気遣っていた。

花咲徳栄は今夏、県6連覇がかかっている。準備は怠ってはいない。「やるなら、夢を与えられるように全力でやります。でも一大人として考えないと。自分たちのことばかり言ってられない」。全チームが全力を出し切れる大会が行われることを願っていた。【湯本勝大】

◆岩井隆 いわい・たかし。1970年(昭45)1月29日生まれ。埼玉県出身。現役時代は内野手。桐光学園(神奈川)から東北福祉大。92年から花咲徳栄のコーチを務め、01年同校監督就任。同年学校史上初の夏の甲子園に導き、通算春5回、夏7回出場。17年には埼玉勢初の全国優勝を経験