夏季北海道高校野球大会釧根地区の組み合わせが3日、決まった。野球部にバスケットボール部、コンピューター同好会、書道部、帰宅部を融合した“文武混合チーム”で単独出場する霧多布は、初戦で釧路商・白糠・阿寒・根室連合と対戦する。

昨春、天国へと旅だったOBモンキー・パンチさん(本名・加藤一彦=かとうかずひこ、享年81)の人気漫画「ルパン三世」のように、多才な才能を集結し、特別な夏に挑む。

初戦の相手が決まりエース中田貴は「みんなそれぞれの良さがある。団結力では負けない」と意気込んだ。中心の中田貴が“ルパン三世”とすれば、筆1本で勝負する書道部川村二塁手の役割は“石川五ェ門”だ。「書道は集中力の継続。普段は冷静に。終盤元気がなくなったときに声を出して締める」。コンピューター同好会の奥谷中堅手は中学まで野球未経験も、1年秋から助っ人を経験。佐々木昭典監督(37)は「既に外野の要」と話しており、コンピューター同好会ならではの緻密な打球判断と強肩で“次元大介”ばりの補殺を狙う。

所属は多岐にわたるが、バスケットボール部の橋本三塁手、書道部の川村ら、内野は捕手以外の5人が中学時代、浜中合同チームで軟式野球の公式戦に出場していた仲間。橋本は「チームプレーは生かせるはず」と強い口調で話した。

全校生徒78人、男子は34人と少なく17年春から複数部活が助け合い単独出場を続けてきた。残念ながら峰不二子役の女子マネジャーはいないが、少数だからこそ生まれる強い絆を生かし、勝利という「夏のお宝」を奪いにいく。【永野高輔】