全国高校野球選手権大会がなくなった今夏。球児たちはどんな思いで試合に臨むのか。直筆の手紙とともに随時掲載していく。

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昨秋神宮大会準優勝バッテリーの高崎健康福祉大高崎(群馬)・下慎之介投手と戸丸秦吾捕手(ともに3年)が甲子園交流試合の抽選会を前に、手紙を送りあった。

出会いは小学6年の時。練習試合で戸丸が下に2本塁打を浴びた。戸丸は「『へぼピー』といじってきた」と苦笑いで振り返るが、下は「同学年と思えなかった」と戸丸の力を認めていた。その後、高崎ボーイズでチームメートとなり6年目の付き合いになる。

最も近くで互いの成長を見てきた。昨夏の新チーム始動の際、下から戸丸に「日本一のバッテリーになろう」と呼び掛け、神宮大会準優勝まで駆け上がった。センバツ出場を確実にした昨秋関東大会準々決勝の西武台(埼玉)戦。勝利後、下は泣きながら戸丸に「ありがとう」と抱きついた。もうサインに首を振ることは、ほとんどない。同じユニホームを着る時間は残りわずか。力を合わせ、戦い抜く。