夏の代替大会に出場するドラフト候補生紹介企画の最終回は「東日本編(下)」。青森山田の最速150キロ右腕・小牟田龍宝投手(3年)は、1学年上で巨人ドラフト1位堀田賢慎投手の背中を追う。

青森山田の小牟田は、直球の質にこだわり続ける。堀田の成長過程を近くで感じ「自分も上の順位を目指しています」と意識も高い。昨夏以降の右肩痛でノースロー調整だったが、今冬は雪上の長距離に加えて短距離ダッシュも課して下半身強化。体重も昨秋の74キロから一時は82キロまで増加。3月末にはブルペンで150キロをマークした。

堀田との違いも自覚している。「賢慎さんのストレートは身長も高くて上から伸びてくる。自分は身長が低いので下から伸ばすイメージを持っています」。17年WBCでMVPを獲得したメッツ170センチ右腕ストローマンの投球を研究。「小さい体でも打たれない真っすぐを参考にしています」。握り方なども模索しながら、回転数も上昇。プロのスカウトからは「スライダーは堀田以上」と評価されている。

打撃でも高校通算16本塁打。遠投120メートル、50メートル5秒8など、身体能力は全国トップ級だ。17年ソフトバンク吉住晴斗(鶴岡東)18年日本ハム吉田輝星(金足農)19年ロッテ佐々木朗希(大船渡)、巨人堀田。東北から3年連続でドラ1投手誕生中。続くのは、この男だ。【鎌田直秀】