走った、走った、走った! 清瀬・阿部翔昴捕手(3年)は「ツーベースかなと思ったんですが。コーチが回してくれていたので」と、思い切って二塁を蹴った。1回表に1点を先取されたその裏の攻撃。5番山村の左前打で逆転し、なお1死満塁だった。フルカウントから逆方向へ飛球を放つと、前寄りに守っていた右翼手の頭上を越えた。50メートル走6秒8の足で三塁も蹴って、滑り込み生還。人生初のランニングホームランで、公式戦初本塁打を満塁で飾った。

殊勲打に「うれしかったです」とニッコリ笑ったが、リードでも引っ張った。先発松崎が直球で腕が振れていないと見るや、外のスライダーを中心に打たせて取った。2投手を導き、結果、初回先頭の二塁打1本のみに抑えた。5回コールド勝ちだ。

次戦は26日、国士舘戦。昨秋の都大会チャンピオンだ。阿部は「強い相手。甘く入ったらダメ。やってきた野球を貫きたい」と気持ちを高めていた。