<高校野球東東京大会:城北2-1小山台>◇30日◇2回戦◇大田スタジアム

全国高校野球選手権大会がなくなった今夏。球児たちはどんな思いで試合に臨むのか。直筆の手紙とともに随時掲載していく。

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「都立の雄」が2回戦で姿を消した。小山台(東東京)は城北に1-2の惜敗。4番の上江洲礼記(うえず・らいき)主将(3年)は「力負けです」と潔かった。3回、自ら先制犠飛を放ったが、4回に逆転を許し、そのまま敗れた。

昨夏まで2年連続準優勝。次こそ甲子園の期待を背負い、主将となった。初めは重圧との闘い。昨秋は本大会1回戦で敗れ「焦りがありました」。部室の整理整頓など生活面から見直し、冬のトレーニングを乗り越えた。最後の夏へ向かったが、まさかの中止。自粛期間中、原点に立ち返った。小山台が伝統的に掲げる「日本一良いチーム」とは? 出した結論は「伝統をつなぐことがキャプテンの務め。人のために尽くせることが『日本一良いチーム』だ」。都立では群を抜く111人の大所帯。全員が人のために尽くし、応援してくれる皆さんにプレーで感謝を伝えようと決めた。

自身の高校野球は終わっても、小山台の挑戦は続く。「後輩たちは今日の負けを次につなげて欲しい」と願う。開幕前「未来の小山台へ」と題し、手紙をしたためた。将来は高校野球の指導者も考えている。「行こう! “甲子園”」と結んだ。後進へのエールは、未来の決意表明になるかもしれない。【古川真弥】