市和歌山は逆転負けし、7-8で敗れた昨春県大会決勝のリベンジはかなわなかった。1点リードの6回に救援登板したエース左腕・岩本真之介投手(3年)が満塁弾を浴びるなど、4回6安打5失点で智弁和歌山打線に屈した。

最後の夏、エースの目に涙はなかった。「制球が定まらなかった。いつもより変な力が入っていました」。力みが制球に影響した。1死から死球で走者を許すとそこから中前打、四球で傷口を拡大。1死満塁から直球を左翼スタンドに運ばれたが、最後までマウンドを守り切ったのは背番号1の意地だった。「(小林)樹斗や細川(凌平)はプロに行くと思う。4年後、そのレベルになりたい」。相手の主力の名前を挙げながら淡々と先を見据えた。

2年生ながらプロ注目の小園健太投手は2回から登板し、4回を3安打1失点。「5回までと決まっていたので、思いきり投げようと思った」。内角を果敢に攻め、プロ注目の細川凌平内野手(3年)を2打数無安打に抑え込んだ。最速は144キロを記録するなど、7球団のスカウトの前で好投した。【望月千草】