大院大高・椎江博監督(58)のラストゲームは、5回コールドで幕を閉じた。涙なく、笑顔で終わった最終戦。3回に2点を先制したがその裏、打者2巡の猛攻を浴び一挙14失点。指揮官は「北陽さんの流れを止められなかった」と振り返った。

今夏も選手の背番号の裏に、椎江監督が直筆のメッセージを書き込んだ。チームの元気印という和田一輝捕手(3年)には「声出せ、チャンスでは冷静さ」と送り、その和田が2安打1打点。「チャンスでは弱いと言われていたので。1人1人見てくれる監督さんでした」と感謝した。

13年間指揮を執った野球部から完全に離れ、以前コーチを務めていた西浦裕一氏が後任の有力候補にあがっている。「このチームがベスト4まで残ると思ってませんでした。彼らは普通の高校生。これぞ高校野球。1戦1戦楽しませてもらった」。13年間の思い出を抱え、笑顔でユニホームを脱ぐ。【望月千草】