ケガに苦しんだ大阪桐蔭・吉安遼哉捕手(3年)が、最初で最後の甲子園で輝いた。初回2死一、三塁、内低めの変化球をとらえて先制の右前適時打。6回、8回にも安打を放ち、4打数3安打の活躍だった。「(先発の)藤江が頑張っていたので、とにかく1点でも取ろうという気持ちでした」。

守備でも藤江、松浦を強気にリード。大阪独自大会・準決勝で履正社に3-9で敗れた後からここまで、同戦や東海大相模の試合のビデオを見ながら、藤江と話し合いを重ねてきた。「履正社戦は逃げて、ちょっと弱気になってしまった。勝てるバッティングと勝てる配球が出来て、良かったです」。攻守で勝利に貢献した。

昨秋に左手親指を骨折し、治ったのは12月。最後の夏は大阪独自大会の直前の練習試合で腰を痛め、復帰したのは同大会の最終戦、準決勝だった。「情けなくて」と試合に出られない苦しみや痛みと戦い、最後に聖地で力を発揮。「やっぱり甲子園を目指して日々の練習を頑張ってきた。1試合でしたけど、特別な日になりました」と胸を張った。