最終試合に出場した山梨学院の福島・いわき市出身3年生コンビが、有終の美を飾った。6番小吹悠人内野手が同点犠飛を含む3打数2安打1打点。2回の守備では、緩い遊ゴロを一塁へランニングスローでアウトにするなど、攻守で躍動した。4番栗田勇雅捕手も7回にダメ押しの適時打を放ち、勝利に貢献した。

2人は中学時代にいわきボーイズでプレー。「一緒に甲子園に行こう」と地元を離れ、小吹は2年の春から3季連続で、栗田は1年夏から4季連続で甲子園出場を果たした。小吹は「ずっと切磋琢磨(せっさたくま)してきた者同士。勝利で終われたのが良かった。(栗田には)『ありがとう』と伝えたいです」。夢舞台に立つ目標を実現し、すっかり慣れ親しんだ聖地に別れを告げた。

小吹は旧友の思いも背負って臨んだ一戦だった。15日に国士舘(東京)と戦った磐城(福島)のエース右腕・沖政宗(3年)とは、小学生の時に同じチームで汗を流した。今でもLINEで交流する仲で「試合前日に『頑張れよ』ってメッセージをもらった。(国士舘戦の)沖の粘りの投球は刺激になったし、磐城の選手も頑張っていたので、気持ちが高ぶりました」と力をもらった。大学進学予定で「さらにレベルアップして、プロ入りを目指したい」と力強く話した。【佐藤究】

◆小吹悠人(こぶき・ゆうと)2002年(平14)4月30日生まれ、福島県いわき市出身。小名浜少年野球教室で野球を始め、小6時には楽天ジュニア選出。小名浜二中ではいわきボーイズに所属しU15日本代表。山梨学院では1年夏からベンチ入り。180センチ、83キロ。右投げ右打ち。目標の選手は巨人・坂本。