宮城県高野連は21日、多賀城市内で秋季高校野球宮城県大会の組み合わせ抽選会を行い、準々決勝以降の計8試合を有観客試合にすることを発表した。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、今夏の独自大会は各都道府県すべて無観客開催。各高野連で有観客を検討している地区もあるが、正式決定は初となった。感染予防対策を考慮し、例年行ってきた各地区予選は中止。いきなりの県大会トーナメント方式で71校63チームが参加して、上位3校に与えられる東北大会(10月14日開幕、宮城)出場権を争う。

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伊具の2選手と亘理の8選手がタッグを組んで史上初の「秋の全県トーナメント大会」に挑む。それぞれ令和元年(19年)東日本台風(19号)と、11年東日本大震災で大きな被害を受けた被災地の思いを背負う連合チームだ。丸森町の伊具は19年度から部員0の休部状態だったが、今春に1年生2人が入部した。グラウンドには仮設住宅があって、練習は陸上部と一緒に体力強化に努めている。金野公太監督(36)は「(1年生)2人とも意欲がある。最後まで諦めずにボールを追う姿を見せて地域を盛り上げてほしい」と期待する。

一方、東日本大震災で避難所にもなった亘理は3年生5人が引退。2年生6人、1年生2人で新チームのスタートを切った。初戦で聖和学園との対戦が決まったエース右腕・及川勘多主将(2年)は「1つのチームみたいにうち解けています。連合に関係なくチーム一丸になって戦いたい」と健闘を誓った。【佐々木雄高】