東海大相模・加藤響内野手(3年)が4番の仕事をした。0-1の4回無死一塁で、左越えに逆転2ラン。1ストライクから、真ん中付近の落ちる球をライナーでたたき込んだ。高校通算35号に「打った瞬間でした。踏み込めました」と胸を張った。打線に火を付け、決勝進出を果たした。

失敗から目をそらさなかった。17日の大阪桐蔭との甲子園交流試合では3三振。初球ストライクを見逃す打席を重ねた。帰京後、あえて三振の映像を見返し、自分の売りを再確認した。「踏み込めていませんでした」。第1ストライクから積極的に踏み込んで打つ。初回の第1打席、1ボールからの2球目を捉えた。左飛にはなったが、手応えがあった。次の打席の2ランにつながった。

山村、西川、鵜沼とプロ注目打者がそろう中、加藤も負けていない。昨秋大会で成績を残し、春の結果次第でプロも、と言える立場まで来ていた。ところが、春大会は中止。それでも、代替大会優勝という目標がある。決勝の相手は相洋に決まった。「やることは変わりません。投手が頑張ってくれている。1点ずつ、積み重ねていけたら」と口元を引き締めた。